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日 時 |
大事なものは目蓋の裏 #4
台所に行くと、家政婦の石崎さんがいた。
この人は、それこそ俺が生まれる前からいる年長者だから、だいたいこの家のことはなんでも知ってる。
「石崎さーん、なんか食えるもんない?」
俺が妙に明るい声を上げるもんだから、石崎さんはぽかんと口を開けた。
「あ…ごめんなさい。遅くに帰ってきたからお腹がすいたんです。おにぎりでもいいんで、食べられる物があるとうれしいです」
すると石崎さんが歩み寄ってきて、俺の両手を包みこむようにして握った。
「坊ちゃま、奥方さまがお亡くなりになったのに…親...
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2012/01/27 02:45 |
大事なものは目蓋の裏 #3
携帯には何度も着信があったけど、一切無視した。
どうせまたお袋が早く帰ってこいとか言ってるんだ。その手には乗るか。
それでも七時過ぎには帰った。外の飯より、うちの飯の方が断然美味いしな。
門をくぐるなり、家の中がなんだか騒がしかった。
出迎えてくれた家政婦さんが、小走りで俺に向かってきた。
「お坊ちゃま、何度も電話したんですよ!」
「いやー、ごめんごめん。遊びに夢中になっててー」
「奥方さまが…大変なことに……」
「なにー?またなんか変な事でも口走ってんの?」
耄碌...
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2012/01/18 01:26 |
大事なものは目蓋の裏 #2
「正孝!……!」
呼び止めようようとする声は、出てこなかった。
抱きとめられる腕に、力が入っている。
「また、痩せたな」
「……軽くなったから、抱き上げやすくなったろ」
思いつく限りの、精一杯の意地だった。
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2011/12/06 21:40 |
大事なものは目蓋の裏 #1
はっきり言って、俺はこの人が苦手である。
寝ていればなんでもない婆さんなんだが、ひとたび目を開いて俺の顔を見るなり、悪態が次から次へと出てくるからだ。
その勢いたるや、とても寝たきりの老人と思えない。
本当は今にでも起き上がって、木刀でも振り回して追いかけてくるんじゃないだろうか。
……いや、昔は本当によく追いかけられたもんだ。
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2011/11/10 00:00 |
White Spring #1
白面は、睨め上げていた。
忌々しいと、小賢しいと、人間たちを睨め上げていた。
絶望に打ち砕かれ、弄り殺されていく人間たちを、高みの見物と気取るところであったのに、全て水泡と帰してしまった。
従えた死徒は、みるみるその数を減らしている。
異空より現れた白き戦艦を前に、弄り殺されているのはむしろこちらの方だ。
そして、自らの正面に立ちはだかるは巨大なる神、ヨグ=ソトース。
それを操る人間が、なんの魔術も持たぬ弱い女だというのが、ますます気に入らなかった。
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2010/02/13 23:41 |
Name is ...
そこにいるのは、幼いあたしだった。
肩から下ろしたばかりのランドセルを、手に提げている。
たぶん、学校から帰ってきたところだ。
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2009/11/08 23:43 |
Nightless Girl #3
一体誰が、この未来を想像し得ただろうか。
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2009/10/11 14:25 |